シャンゼリゼ劇場での藤倉大「ソラリス」の、そのまた前日は山田和樹指揮パリ管弦楽団他によるオネゲルの「火刑台上のジャンヌ・ダルク」でした。3月4日に拝見。

主役がフランス語による語りで、コーラスも子供のコーラスもフランス語を訓練して、オケは一番うるさい方のパリ管、曲は大曲でヤマカズさんはオペラ経験もあまりない・・・・などなど、どこから考えても大変そうな仕事です。
DSC04241
ところが、それをどうということもなくこなしてしまうのも、またヤマカズさんならでは。この仕事だけでなく前後も内外のメジャーどころで大曲、難曲がずらりと並んでいます。

しばらく前にサイトウキネンで、このオネゲルジャンヌダルクをおやりになった時が確か初のオペラ指揮だったと思いますが、小澤さんにかわってこれを指揮して数日後にはヤニス・クセナキスのもっと七面倒臭いオペラ「オレステイア」をサントリーホールで振っておられました。

ある時期の小澤さんがそうだったように、上り坂の時は何かをやらないより、やっているほうが楽、とはいいませんが自然なのでしょう。さらにヤマカズさんはあのスケジュールをハンドリングするように情報量の多い音楽の整理はお得意のようで、オレステイアもそうでしたが、今回のジャンヌ・ダルクでも彼が指揮すると作品がすっきりと聞こえます。

その能力は当然オケ側からも評価されてパリ管でも、もう何度目かのリピート登場。あそこはシェフのパーヴォ・ヤルヴィが結構振りますから、定期演奏会に登場する常連は当然数が限られます。

その数少ない枠に佐渡裕、山田和樹がいるわけで、山田和樹にとってもハレの場ですが、オケにとっても「断られたら困る」存在に既になっています。火刑台・・・・が簡単に振れる指揮者など、そう簡単にいるはずもありませんからね。
IMG_8326
(撮影 山口敦)

会場の新ホール=パリ・フィルハーモニー(Philharmonie de Paris)はシテドラミュージックのすぐ裏で、「初めてだから分かるかな?」などという心配は全くご無用。青い独特の建物が嫌でもドーンと目に入ります。
DSC04233
建物はわかりやすいですが、入り方は別。なんせ突貫工事で間に合わせたというか、間に合わなかったというか。

エスカレーターだのトイレだのまだあちこちが途中段階で、目に入ったとこで一応入ると係員が、「エスカレーターはまだだから、表に回って階段を上がってくれ」などと叫んでいます。各国からの客がよほど多いらしくフランス語でなく英語だったりして。

ホール内ですら天井などまだ工事中のようにも見えますが、それはそういうデザインなのかもしれません。

音響設計には再三触れているように豊田泰久さんが関わっています。パリ管ヴァイオリンの一列目には千々岩英一さんが座ってますし。おかげさまで日本語だけでも随分と生情報があります。本公演のレポートも千々岩さんのツイッターが一番おもしろいのではないでしょうか。
PhilharmonieDeParis1
ヤマカズさんも豊田さんも千々岩さんもトッププロとして普通にいい仕事をしていて本当に素晴らしい。

サイトウキネンの時より当然ながら確信も増して、新ホールなのに音響も抵抗なく思えましたし、大きな感銘を受けた一夜でした。

ところでパーヴォの次のシェフは?ホールと同じく新シェフ発表だけとっても一筋縄ではいかないのがパリ・・・・・。

「『花のパリ』のわりに、良いホールが無い」と言われていたのがいつのまにかフィルハーモニー、ラジオ・フランスと凄いのが2つできているのもパリ・・・・・。