ゴールデンウィークの東京でのクラシックイベント、といえば当然有楽町のラ・フォル・ジュルネということになります。

が、そこからそんなに遠くない、すみだトリフォニーホール(及びその周辺)でも、もう20回になるという立派な歴史の音楽祭が続いています。

その名はTokyo Cantat。読み方からしてちょっとつまりますけど、トウキョウ・カンタートだそうです。栗山文昭さんが総合プロデューサーの合唱系の祭典ですね。
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合唱系らしくセミナー、公開リハーサルなど多様に組まれていますが、一般ファンからすればやはり注目はコンサート。

すみだトリフォニー大ホールでのメジャーなコンサートは例年だいたい3つで、竹下景子さんとか辰巳琢郎さんとかがご出演になるイベント的なもの、「やまと うたの血脈(けちみゃく)」と名付けられた現代作曲家の合唱作品、そしてアーノルト・シェーンベルク合唱団のエルヴィン・オルトナー、キングズ・シンガーズのサイモン・キャリントンといった世界トップ級の合唱指揮者によるフィナーレ、といった感じです。

「やまとの血脈」では老若男女、各世代のいい作曲家の新作、近作類がやられますし、オルトナーやキャリントンがやれば普通の西洋クラシック合唱曲も、「さすが」となることがほとんどです。

こんな立派なものが20回も続いているのですから、もうちょっと注目されていいように思いますが、なかなか知られない感も拭えません。合唱やギターは良くも悪くも参加者型といいますか、その世界の方の内側に向いたセンスが中心で、外の一般客の視点とちょっと距離があるのかもしれません。

このテのものは知らしめたり来ていただいたり、それも含めての総合音楽祭といいたいところですが、淡々と例年同じような感じで無理していないのがいいのでしょうかね。

そんなことで、私自身はお邪魔する時間もちょっと減りつつあるのですが、それでも「「やまとの血脈」の冒頭の川島素晴、寺嶋陸也、鶴見幸代らの作品、カール・ホグセット指揮のヘンリー・パーセル、オルトナー指揮のブラームスなどは楽しみに拝聴したいと思っています。