東京の亜門「魔笛」に対して、兵庫県西宮では7月恒例の佐渡オペラが今年も行われています。「椿姫」で「10周年に10回」と同劇場らしいコピーが踊っています。
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18日(土)のBキャストを拝見しましたが、素晴らしい出来栄え。

ヴィオレッタは見るからに華奢で声も細いテオナ・ドヴァリですが、だんだんネトレプコやディアナ・ダムラウがダメなときにお声がかかるようになってきて、トップ級に入ってきました。これみよがしにアリアを聞かせるのではなくて、音楽全体をとらえて自分の表現を決めているような知性が感じられて、音楽全体のクオリティアップにすら貢献しています。

ジェルモンの高田智宏も、コントロールが良くきいて、Aキャストのほうの個性的なマーク・ドスの裏手を行き、引けは取らないというプロフェショナル。

おりからの大雨で楽器類もなりにくい状態も予想されましたが、エアコンディションやピットの高さなど緻密にコントロールしたのでしょう。

弦楽器も良く鳴り凄みがあって弱音も生きている、というヴェルディを聞く楽しみを存分に味わえました。そして何より自然な音楽の流れ。

佐渡裕のヴェルディというのは、あまり聞いたことがない気もしますが、今回は10年のシリーズ中でも最高の出来だったように思います。通俗名曲の域をはるかに越えたヴェルディ充実期の内実が迫ってきました。