今週の橋本京子さんの話の目玉は、何と言っても元ボーザール・トリオのピアニスト、メナヘム・プレスラーのことです。

ジェラルド・ムーアとか十分な技量をもちながらもスターソリストではない道を歩んだ大家はたくさんいらっしゃり、メナヘム・プレスラーもその代表格でしょうが、彼は80歳代なかばでボーザール・トリオを引退した後、なんとソリストになりました。

微笑ましく、長年弾かなかったソロを最後にちょっとだけ・・・なぞという生易しいものではありません。今日はベルリン・フィル、明日はパリ管、指揮はパーヴォ・ヤルヴィ・・・といった感じでどこから見ても売れっ子ソリストの仕事の仕方です。

そんなおもろいメナヘム・プレスラーですが、彼は橋本京子さんの師の一人でもあるのです。まあ確かにそんな多彩な経験の方ですからレッスンも面白いのでしょう。

橋本さんはメナヘムに教わっただけでなく、ボーザールトリオメンバーのアントニオ・メネセスともたくさん共演していますから、話はより具体的、多様になります。
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それから彼女が高く評価するシフのバッハ。

そういったことが流れ込んでいる橋本さん自身のシューベルトの後期の即興曲とドビュッシー前奏曲Ⅱというのも、当然ながら味わい深いものになっています。

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東京FM コミュニケーションズグループ  音楽専用・衛星デジタルラジオ "ミュージックバード"
2015年8月15日(土) 18:00 
プロデューサーの部屋  第211回
<異端の国際派ピアニスト Vol.2> 出演:平井洋、ゲスト:橋本京子(ピアニスト) 

18:08
【ライヴイン東京2009】
・シューベルト/4つの即興曲 Op142 D935
・ドビュッシー/前奏曲集第2巻
(75'57") 橋本京子(P) 09年録音ライヴノーツ/WWCC-7664

19:30
・メンデルスゾーン/ピアノ三重奏曲第1番ニ短調 Op49
・ドヴォルジャーク/ピアノ三重奏曲第4番ホ短調 Op90「ドゥムキー」
(66'42") ボザール・トリオ 04年録音WARNER/WPCS-11811

20:44
・バッハ/パルティータ第4番ニ長調 BWV828
・同/同 第6番ホ短調 BWV830
(60'42") アンドラーシュ・シフ(P) 07年録音ECM/ECM-2001/02

21:55
・Meeting of the Spirits より Matt Haimovitz(Vc) Uccello 10年録音OXINGALE/OX2017