8月22日に河口湖ステラシアターでの佐渡裕ローマ三部作を観た翌日は、サントリーホールでB.A.ツィンマーマンの「ある若き詩人のためのレクイエム」を拝見しました。
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いつも思いますが、「こういう組み合わせで両日とも同じ人に会うことは無いだろうなー」と思ってもいらっしゃるんですよね。狭い世界。

ツィンマーマンのこのレクイエムで言えば2009年にベルリン・フィルのデジタル・コンサートホールが始まり、高音質高画質で定期のライブが拝見できるというやつの初期にこの曲がありました。

「こんなものが見れるのは凄い」とこの手のものに興味のあるごく少数の関係者の間では話題になり、「有料会員にならずに、なんとか安く見るには」みたいな情報が飛び交いました。

ベルリン・フィルのデジタル・コンサートホールは検索が充実していて、検索窓に日本語で「ツィンマーマン」と入れれば今でも、この公演はじめツィンマーマンと名がつく作曲演奏家がらみのものが一覧でバーっと出てきます。

その時の演奏はペーテル・エトベッシュ指揮。語りはハンドマイクを使い、コーラスも激しく叫ぶ歌い方でオケは一転すごくきれい。「もう二度と聴くこともないかもしれないが、ここまでの名演ならほとんど味わえただろう」と思えて何度も映像を観ました。

ところが意外にも数年後に今回生で拝見できたわけです。私も主催者側に立つならもちろん「今後またいつきけるか分かりませんよ。その機会を逃さずどうぞ。」という作戦でいきますが。

この作戦で二期会のシュトラウス「ダナエの愛」も今、宣伝中ですが、これも意外に「深作演出好評につき各国で再演」とかなるといいですね。

で、今回の演奏は、なんとまあすっきりしていること。大野和士さんの整理能力といいますか、もう本当にきれいに見えているんでしょうね。数年前のこのフェスでのヤマカズさんのクセナキス「オレスティア」のときもそう思いましたが、よくぞこんな曲を整然と腑分けできるものです。大野さんや山田さんが世界各地で「えっ?」というような大曲を任される理由が分かる気がいたします。

客席はかなりうまっていました。数年前のドナトーニ特集の時はガラガラでしたが対照的です。作品の重要さ、意義、迫力などは同程度でしょうが、ツィンマーマンのほうが上演自体が切迫したドラマといいますか「やはり行っとかないと」となりやすいんでしょうかね。ツィンマーマンがポピュラーとはとても言えないでしょうが若杉弘さんが「ツィンマーマンの『兵士たち』をやるために新国立劇場のポジションは受けました」を仰るのが似合う作曲家のようです。

今年のサントリーサマー、残るは「国際作曲委嘱シリーズテーマ作曲家ハインツ・ホリガー」の日。集客はどうでしょうかね。ツィンマーマンとドナトーニの中間くらいでしょうか。もうちょっと多いかな。