今年のサントリーサマーフェスの仕上げに、芥川作曲賞選考演奏会にうかがいました。最終選考に残った作曲家に特に知り合いやら贔屓がいるわけでもありませんから、どなたが受賞するかというより、そのお三方の候補作品と以前の受賞作曲家による委嘱新作1曲の計4曲の普通のオーケストラコンサートに行く感じです。
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普通の一コンサートなら、色々なフルイを経て残った既存曲のほうが当然充実感はありそうなものですが、一概にそうとも言えません。アプローチが決まってきた作品よりも、はっきりしない面白さも有り、何より演奏家のアプローチが興味深いです。

新しい譜面にどう立ち向かうかは演奏家の思わぬ面が見えたりするので、作曲コンクールでもあり演奏家も試されている気がします。

今回の指揮は杉山洋一。さすが、という感を持ちました。このレベルの演奏をしてくれるとコンサートとして十分に楽しめます。指揮者がここまで読んでくれれば作曲家も望外の幸せではないでしょうか。なぞと、つい思いますが、考え方感じ方は人それぞれですから何とも言えませんが。

大野和士や山田和樹はプロの指揮者らしいすっきりした整理が印象に残りますが、ホリガーや杉山洋一は読んでいる中身がよりダイレクトに伝わってくるようです。

冒頭に取り上げられた酒井健治の委嘱作品のヴァイオリン協奏曲もすっきり白シャツでカッコ良かった成田達輝の妙技もさることながら、指揮者によってはもっと訳のわからないものに聞こえただろうと思います。

という聴き方なので、選考会や表彰式は失礼しましたが、あとから坂東祐大さんの「ダミエ & ミスマッチ J.H:S」が受賞したとうかがいました。

この曲では新日フィルの弦のトップ奏者のソロが時々出てくるのですが、セカンドヴァイオリンの方の演奏に好印象を持ちました。