東京二期会によるリヒャルト・シュトラウスのオペラ「ダナエの愛」の舞台上演日本初演は明らかに東京の今シーズン全音楽公演の中でも目玉の一つでしょう。

シュトラウスの名作なのに、この作品の新制作は世界的に見てもまだ、あそこの何とここの何、と指折り数えられるくらいしか行われていません。

しかもその演出家が、初のオペラ演出となる映画監督の深作健太さんなのですから、期待が否が応でも高まります。

演出は初ですが深作さんは自費でずっとドイツにいてオペラを見まくったりする仕込みはとうにできていて、いよいよそのアウトプットという感じもいたします。

こういう他ジャンルの若い飛び抜けた才能で、しかも「やりたくてたまらない」というタイプが飛び込んできてくれるのですから、ファン層を広げる意味からしてもこれ以上のことはなかなか無いでしょう。

私は個人的にも初対面で、この収録は本当に楽しみで、実際楽しい収録でした。
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この番組でもディスクはもちろん深作さんのご選択です。曲だけでなく演奏も含めて。

ラインアップを拝見すると、濃厚にねっとり歌い上げる方向がお好きのような。

今度の「ダナエの愛」でコンビを組む指揮者の準メルクルとは、「初対面で財布を忘れメシ代をおごってもらった」という仲だそうで、それだけ聞いてもなんとなくうまく行きそうですね。

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東京FM コミュニケーションズグループ  音楽専用・衛星デジタルラジオ "ミュージックバード"
2015年9月19日(土) 18:00 
プロデューサーの部屋  第216回

<オペラ界へ新風(前篇)> 出演:平井洋、ゲスト:深作健太(映画監督・演出家) 

18:09
・R・シュトラウス/4つの最後の歌
・同/ツェツィーリエ Op27-2
・同/明日の朝 Op27-4
・同/子守歌 Op41-1
・同/憩え、わが魂 Op27-1
・同/わが子へ Op37-3
・同/献身 Op10-1
(46'05") ジェシー・ノーマン(S) クルト・マズア指揮ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団 82年録音PHILIPS/411 052-2

19:03
・ワーグナー/歌劇「タンホイザー」第1幕
(66'36") ペーター・ザイフェルト(T) ジェーン・イーグレン(S) ヴァルトラウト・マイヤー(S) トーマス・ハンプソン(Br) ルネ・パーペ(Bs) ダニエル・バレンボイム指揮ベルリン国立歌劇場管弦楽団&合唱団 01年録音TELDEC/WPCS-11202/4

20:18
【細川俊夫管弦楽作品集第1集】より
・細川俊夫/ホルン協奏曲*
・同/ピアノとオーケストラのための「月夜の蓮」☆
(40'20") シュテファン・ドール(Hr)* 児玉桃(P)☆ 準・メルクル指揮ロイヤル・スコティッシュ・ナショナル管弦楽団 13年録音NAXOS/8.573239
21時台 21:03
・チャイコフスキー/ヴァイオリン協奏曲ニ長調 p35
(37'05") アンネ・ゾフィー・ムター(Vn) ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団 88年ライヴ録音DG/POCG-9049/51

21:45
・バッハ/ゴルトベルク変奏曲 BWV988より グレン・グールド(P) 81年録音SONY/SICC-20147~8