新国立劇場15-16シーズン幕開きのワーグナー「ラインの黄金」、最終日に滑りこみで行ってきました。

観るたびに思いますが「ラインの黄金」は本当にドラマティックで面白いです。

リングのその後が長いので、短いような気がするラインゴールドですが、正味2時間半くらいあるわけで、そんなに短いわけでもありません。それが次々とドラマが展開して、時間の止まったようなアリアも無いので、あっという間に時が過ぎます。

しかし、それももちろんあるレベル以上の上演が行われての話。

新制作でゲッツ・フリードリッヒの晩年のフィンランド歌劇場のために作られたプロダクション。あの湖畔の清楚なヘルシンキのオペラハウスに似合いそうな、すっきりした演出です。
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フリードリッヒにとって何回かやった最後のものなので、「余計なものを削ぎ落とした~~」といった話をよく聞きました。その先入観が強く、そうなるとアルベリヒが大蛇やカエルに変身するあたりの電飾系の舞台は「結構ギラギラでコンヴィチュニーみたいじゃん」と思ったりもしました。

そのあたり以外は確かに装置もほとんどなく、シンプル系で、色々な妥協もあったにせよ、少なくとも飯守監督が折り合えたものとして、らしいものでした。

歌手で印象に残ったのはフリッカのシモーネ・シュレーダーとエルダのクリスタ・マイヤーという両メゾソプラノでした。この二人なら役を交換してもいけそうですが、今回の組み合わせが正解でしょう。このあたりが上手だと後半が引き締まって後味がよくなります。

リングともなれば、どこでやっても総力を挙げて、ということでそれぞれにとって最善の選択のキャスト・スタッフが並びますし、ましてや今の新国立劇場の制作の力量からして、かなりの水準になることは当然の話です。
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結局「やはりラインゴールドは面白い」という当たり前の感想に至ったのは何よりでした。

個人的には最後のワルハラ城への入場場面が、皆で手をつなぐ様にして「3歩進んで2歩下がる」動作が前のフリードリッヒの演出でもあって大好きでしたが、今回もそれだけは踏襲されており、嬉しゅうございました。