有料CSテレビのクラシカ・ジャパン
で、今月マティアス・ゲルネが歌うシューベルト「冬の旅」をやっています。
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ゲルネは最初の印象は「ディスカウに似た声」ということで、あのビロードヴォイスを思わせるわけだから、もちろん美声。

その上、生で聞けばほとんど文句のつけようのない印象で、「世界のリート歌いでトップは」というアンケートでゲルネがはいっても不思議ではありません。
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でも、私にとっては良くも悪くもそのくらいの優等生的な感じでしたが、この「冬の旅」にはぶっ飛びました。ゲルネは絶頂期でまた上の次元に行ったようです。

ピアノはマルクス・ヒンターホイザー。ウィーン芸術週間の音楽監督として実に見事なプログラムを組み、並のピアニストではない知見を見せていましたが、来年からはいよいよザルツブルクの監督。財政面まで見るインテンダント的立場という話も聞き、益々並ではなくなってきたようです。

ですが、それでピアノがうまいかはまた別の話。ところがそれが上手いのです。そういう多角的視野を持ったピアノパートといいますか、浮かぶも消えるも変幻自在でゲルネとの綾なしは比類がありません。

それに更に、南アフリカのヨハネスブルク出身の現代美術家ウィリアム・ケントリッジによる映像が加わります。「素描をコマ撮りにした『動くドローイング』と呼ばれる手描きアニメーション・フィルム」だそうで、京都賞もおとりになっています。

リートに映像がつくと、大抵は想像力を狭めるようなBGMの映像版にでもなりそうですが、新たなクリエイティブなアートに至った稀有の例でしょう。

11月15日まで何度か放映されるそうです。クラシカご契約の方はどうぞ御覧ください。