もうすぐ新国立劇場で、ヴェルディのファルスタッフが始まります。

イタリアで文句無しの天才はモンテヴェルディ、ロッシーニ、ヴェルディ。そのヴェルディの中で私はマクベスとファルスタッフが一番好きです。初期の天才の輝きと、最後に立ち至った技とで。偶然なのかどちらもシェイクスピアテキストですが。

ファルスタッフで一番印象的なところは、最後の多重フーガ。フィッシャー=ディスカウが引退公演の時は独唱ではなく、これを歌っていました。

これに代表されるように、アリアよりアンサンブル中心のオペラですが、主役のファルスタッフはやはりバリトンとしては最高の役でしょう

サロメとか以上に、ファルスタッフ役が飛び抜けていないとつまらないものになってしまいます。

そんな難役ですから、世界で定評ある人は少ししかいませんが、今回はなんとゲオルグ・ガグニーゼの初挑戦。これは楽しみですね。

他にも高名な医学博士でもある演出のジョナサン・ミラーとか、秋葉原で部品を買い集めてパソコンを自作し自分のサイトくらい平気で作るフォード役のマッシモ・カヴァレッティとか、多才で一癖ある面々が揃っています。

贅沢なのはクイックリー夫人のエレーナ・ザレンバ。アバドがここぞという公演で主役に起用する彼女ですから。もちろん演出上とか意図あってのことでしょう。

新国立劇場2015年のしめくくりに相応しい見どころの多い公演でおすすめです。
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(写真は以前新国立劇場で上演されたファルスタッフ。撮影:三枝近志/提供:新国立劇場)