今、クラシカ・ジャパンで何回か放映されているイヴァン・フィッシャー&コンセルトヘボウのベートーヴェン全集はつい見入ってしまいます。

まあ、本当にベートーヴェンの全集というのもコンテンツとしては便利なもので、交響曲だけとってもしょっちゅう誰かがやっていて、それが現実にコンサートだと満員になるのですから、続くわけですよね。さすがにCDの全集は苦しいようですが。

来年5月のラトル&ベルリン・フィルの来日チクルスも、チケット代が高いのなんのと言っても、「このコンビの最後だし」とかで満杯になるのでしょう。

CSデジタルテレビのクラシカでも、ここ数年でパーヴォ・ヤルヴィ、ティーレマンあたりはやっていました。その上にまたですから、今回のイヴァン・フィッシャーも、「またか」という感は拭えません。

ところが見だすと見入ってしまうのは何でしょうね。作品の力ですか。それもそうでしょうが、やはり演奏が新鮮です。といってもフィッシャーはきっちり燕尾服を着て見た目普通ですし、ピリオドアプローチといっても、もっとぶっ飛んだものは今時いくらでもあります。

運命のフィナーレでトロンボーンが立つとか第9の独唱が面白い位置で歌うとかもありますが、それも前例もあるし、90歳を越えるスクロバチェフスキーでもN響の第9ではそんなことをやっていました。

ですから想定の範囲のようなことの組み合わせではあるのですが、それで結果的に圧倒的に新鮮さを感じるのですから、「音楽的」とか「絶妙のバランス」とか「あり得べき姿」とか決まり文句を繰り出すしかありません。

プロの指揮者、ソリストが生き残るのは結局リピートの仕事が来るかだけなように、全9曲を通して見続けてしまうように引っ張っていかれてるのですから、商品価値健在というわけです。

実際DVDでも入手可能で、その気になればいつでも買えます。
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しばらく前に見たホームグランド、ブタペスト祝祭管との未完成&ブルックナー9番も素晴らしかったですし、フィッシャーは私にとっては最も好きな方の指揮者の一人になってきました。