先日、新国立劇場オペラ公演ヤナーチェク「イェヌーファ」のプレイベントとしてのヤナーチェクの映画のご紹介をさせていただきましたが、2月28日からはいよいよオペラそのものの幕があきます。

新国立劇場のプロダクションの作り方も色々有りますが、この「イェヌーファ」は2012年のベルリン・ドイツ・オペラのプロダクションを歌手も含めてほぼそのまま持ってくる、という形です。
イェヌーファがやってきた

オーケストラやコーラス以外はほとんどベルリン・ドイツ・オペラの引越し公演のようなものでしょう。

先日の魔笛のようにほぼ全員日本の歌手でやるものもあれば、こういうやり方もありでヴァラエティに富んだ色々なあり方を楽しめるわけです。

主役級の歌手だけ招いて、共同作業で作り上げたり、相互に学んだりも意義ありますが、今回のようなベルリン・ドイツ・オペラスッポリ型は何と言ってもアンサンブルの緊密さがそのまま持ってこれますから、音楽的純度は上がります。

更に一度仕上げたものを少し間を空けて、ほぼ同じメンバーでまた磨き上げるわけですから、クオリティアップには理想的です。

特にヤナーチェクとなるとテクニック的にも難しい上に言語の問題も有りますから、単にいわゆる名歌手ならいいか、というだけでもありません。

よほど向いた人が一丸となって練りあげる以外にないわけで、今回のミヒャエラ・カウネ、ジェニファー・ラーモア、ジャンルカ・ザンピエーリは現在この作品をやるなら、こういうメンバーになるのでしょう。

よく、「ひっつめ髪の頑固婆さん」という形で演出される「ブリヤ家の女主人役」は、この間拝見したミュンヘンでは懐かしのヘルガ・デルネッシュが出てきて驚いたように、超息の長い歌手が歌ったりしますが、今回はハンナ・シュヴァルツ。超息が長い上に新国立劇場ではおなじみですから、まあ順当ですね。