フランスオペラはとても好きです。「ファウストの劫罰」「ホフマン物語」「ペレアスとメリザンド」など、好きなオペラベスト10に必ず入りそうです。あとカルメル会とかカルメンとか。

好きも好きですけど、結構よくやられますよね。日本でもここしばらくで上記すべて拝見したような気がします。

言葉の問題とかは、大したことではないでしょう。どっちみち何語だって大変ですし、日本語のオペラなら気楽に聞けますか?

この日のウェルテルは主役コンビがディミトリー・コルチャック(ウェルテル)とエレーナ・マクシモワ(シャルロット)のロシア勢でしたけど、私は十分楽しめました。

特にエレーナ・マクシモワはド迫力で、オーケストラがガンガンなっていても平気で声が届いてきます。ふだんはそういうことにはあまり価値観を感じませんが、どういうわけかこの曲だと、このくらいやってくれると快感、というか、要するにマクシモワのファンなのですね。

指揮者とともにウェルテル役も色々と交代があって、関係各位はお疲れ様だったでしょうが、この最終的に出てきた主役テノールは結果オーライでしょう。ド迫力のシャルロッテの前で繊細なウェルテルというのは、ビルギッド・ニルソンのイゾルデの前で華奢なトリスタンが歌っているのを思い出しましたが、この作品のほうが、よりそれがピッタリ。

ぶっ飛んでいたモルティエの後で、オーソドックス路線でパリオペラ座を率いたニコラ・ジョエルの演出は、もちろん絵に描いたように堅実。

安心してお楽しみください。
 001-002