2016年7月11日にNHKBSプレミアムで放送された、シュウ・シャオメイのドキュメンタリーとピアノリサイタル番組を拝見しました。リサイタルは2014年に北京で行われたものです。

シャオメイのバッハをはじめとする演奏のクオリティは今更どうこう言うこともありませんが、リサイタル中継で見られる客席との精神的対流のアクティブなことは驚きました。

シャオメイはもともと、語りかけるようなアプローチですが、この映像に見られる北京の若い聴衆は、特に熱狂するでもなく、無関心でもなく、時々スマホ撮影やらフラッシュなども入りますが、それらも邪魔になるわけでもなく、バランスの良い無言の交流になっていました。

なかなかこういう雰囲気にはなりません。聴衆も単にエチケット正しく静かに、椅子に背をつけてきいていればいい、というものではなく、こういう自然な無言の対話がおこなわれてこその音楽会でしょう。

番組終了後、バッハ以外の音源はあるかな、とアップルミュージックを探したらハイドンがすぐに見つかりました。

まあ、これらもなんとスンバラシイこと。

内容もさることながら、リサーチをはじめて数分後にはこういうのが見つかって、じっくり聞けるのですから、その事自体が大きな変化ですね。棚のCD群をゴソゴソ探したり、新たに注文しようなどといっても、この質量スピードにはかなわないわけで、ついでに「フーガの技法」も「パルティータ」も聞き直して、自分なりの明確な捉え直しは、その日中に済みました。
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