本日から、東京文化会館でいよいよ東京二期会による「トリスタンとイゾルデ」が始まります。

何と言っても、究極のオペラ。色々なことはnoteのほうにでも書こうと思いますが、まあ端的に言って「究極の」作品でしょう。クラシックファンならこれを聴かずに死ぬのはあまりにもったいないです。

究極ですが、といいますか、究極ですから、といいますか、やはり長いです。4回公演とも14時開始ですが、終演は19時です。延べ5時間、正味だけでも4時間。

せっかくのマチネー昼公演なのに、家に帰れば20時過ぎで夕飯にも間に合いません。

オペラがお嫌いでも、オーケストラファンならまあお馴染みの「イゾルデの愛の死」という一番知られたメロディーが出てくるのは5時間中、4時間45分くらいのところ。つまり最後ですね。いいところだけきいて、早めに失礼、というわけに行きません。

でも我慢に我慢を重ねてそこまで行って「愛の死」に接すれば・・・・・多分浄化されるような特別なお気持ちを味わうことができるでしょう。

特に今回9月11日と17日にイゾルデをお歌いになる池田香織(いけだ・かおり)さんが素晴らしいです。イゾルデ初挑戦の若い方ですが、指揮者、演出家の意向がすべて体に入って、そこから出てくるような歌唱と演技でオーケストラの音色との一体感すら感じます。まさに新時代のイゾルデ登場です。
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遅刻して、そこだけ聞こう、というのもダメです。「愛の死」の次に有名な「前奏曲」は最初に出てくるのですから。

指揮者のヘスス・ロペス=コボスはさすがの大ベテラン。  最初から最後まで弛緩無く、音楽を聞く醍醐味を味あわせてくれます。本音を言えば「あっという間に終わりますよ」と言いたいくらいです。