コヴェントガーデンロイヤル・オペラのシネマシーズン、「イル・トロヴァトーレ」の試写で虎ノ門に行ってきました。

新制作ではありませんが、デイヴィッド・ベッシュが昨年新演出したものの再演。

この演出がとてもいいです。伝統的とか読み替え現代風とかは、本当はどうでもよくて、要するに才能ある人が、邪魔されずにちゃんと創っていれば説得力があります。

今回のはまさにそれ。現代風と普遍なのと、どちらの味もあり、押し付けがましくありません。

このシリーズの映像の良さで支配人のガスパー・ホルテンが「なぜディヴィッド・ベッシュを選んだか」を語るのもいいし、もうすぐ支配人を離任ということにもタブーっぽくなく自然に触れられています。

そういう部分もあれば、「あらすじ」もちゃんと教えてくれる。専門のジャーナリストに送る広報資料にウィキペディアをコピーしたような「あらすじ」が書いてあるのは白けますが、分かっている人が語るとどこか新鮮で、はっと教わるようなこともあります。

本編以外のこの種のインタビューとかが充実していて楽しめるのは大きな特徴でしょう。

もちろん4人の主役も、リアンナ・ハルトゥニアン(レオノーラ)、グレゴリー・クンデ(マンリーコ) 、アニタ・ラチヴェリシュヴィリ(アズチェーナ)、ヴィタリー・ビリー(ルーナ伯爵)と順当なところが並んでいますが、やはりアニタ・ラチヴェリシュヴィリは圧倒的。

きれいな画像でのアップですから、どうみてもマンリーコよりアズチェーナが若くみえるのはしょうがなくて、そんなこともすぐに気にならなくなるラチヴェリシュヴィリの歌です。

この人もグルジア出身で、同じピアノのブニャティシビリなどとともに覚えにくく発音は不可能なような名前で、国の名前でさえ「ジョージアですよ」とかご指導いただきますが、このあたりから次々と才能が出てくるのは多分偶然ではないのでしょう。

北海道から九州までの各館で、もうすぐ1週間ほど上映されます。
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