昨日は英国ロイヤル・オペラ・ハウス2016/17 シネマシーズン バレエ「眠れる森の美女」試写でした。
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今シーズンもこれと「くるみ割り人形」は選ばれた6作品に入っています。まあよく同じものを延々と、保守的なのもほどがある・・・・とか言いたくなっても実際にステージは二十何回か売り切れだそうで、「じゃあ実際売ってみろ」となると、この回数の凄みが分かります。

しかも今回は1946年のロイヤル・オペラでのこの作品上演の70周年記念でそのときの演出をかなり踏襲したものだそうで、斬新な新演出とかではありません。70週年が主催者側にとっての意味があるのはわかりますが、観客もそういうこと自体に価値を認める人はともかく、普通は「今見てもいいと思うか」どうかが勝負でしょう。

こういう時にステージもそうですが、映像作品としてはどう作るのでしょうか。

で、実際拝見しての感想ですが、まず今回も最新映像の美しさは心地良いです。同じデジタル最新映像でも色々ですが、本シリーズの画像の美しさは際立っています。これだけで「現在の生きたアート」と思わせてくれるくらい。

その中身も、昔のものそのままというわけではなく、変えてあるところと変えてないところが要するに新制作のセンスとなります。それがなかなかいい。

インタビューで往時の主役を踊っていた老プリマがご出演でしたが、この方のお話は素晴らしかった。自分が踊ったときの回想に浸るのではなくて、現在の観客として、変わった部分と変わらない部分を正確に比較して、今の感覚のいいところを話してくれます。自分の自慢昔話でなく、こういう客観的な観察をできるからプリマに上りつめることもできたのでしょう。しかもその観察眼を今まで保っているのが何よりで、彼女を起用した映像制作チームの目の確かさを思わされます。

こういう積み重ねで、本音で見たい人が押し寄せている間は作品は生きている、と言えますから、その種の確認にもなる、というわけです。