英国ロイヤル・オペラシネマシーズン16-17の最後のバレエ演目は同劇場のレジェンドコレオグラファー フレデリック・アシュトンの三部作です。「真夏の夜の夢」「シンフォニック・ヴァリエーションズ」「マルグリットとアルマン」

音楽ファンとバレエファンは、はっきりと客層も別れますが、アシュトン「シンフォニック・ヴァリエーションズ」は音楽ファンにとって抵抗の無い数少ないバレエ演目の一つでしょう。

セザール・フランクの「ピアノとオーケストラのための交響的変奏曲」が音楽として使われ、舞台上も6人のダンサーがストーリーではなく抽象的な動きで全編動き回ります。

以前は音楽会で聞く機会の多かったこの曲も、最近はめっきりその機会が減りましたね。ニ短調交響曲でさえそうですが、フランク作品全体が、演奏頻度が減っているのではないでしょうか。日本だけでなく世界のどこでも。

それが聞けるだけでも貴重ですし、このバレエ作品によって曲の寿命も伸びたようです。

平均律クラヴィーア曲集とかベートーヴェンの弦楽四重奏曲をお好きな方は、何とか王子と何とか姫の美しい踊りというのも、ご趣味が違いそうです。

そういう方にとって、純然たるボディパフォーマンスと音楽表現の抽象性が一致しているこの作品ならいかがでしょうか。

ダンサーの音楽性がもろに見える作品で、この作品がちゃんと理解できるダンサーなら、平均律クラヴィーア曲集などもお好きかもしれません。

今回エマニュエル・プラッソン指揮の音楽もマリアネラ・ヌニェスらのダンスもなかなかいいですよ。

「真夏の夜の夢」はメンデルスゾーンの例の劇音楽が使われていますが、高田茜さんがティターニア役で、客席からもコメンテーターからも絶賛されています。
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9月1日より全国順次公開です。