普通のクラシックに比べて、モンテヴェルディとかの初期バロックは、譜面での規定度が低い分、演奏者の即興性の部分が大きく、それがうまく行われれば、とても生き生きしたポップスにつながるグルーブ感や乗りを味わうことができます。

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さらに「ポッペアの戴冠」は作曲者最晩年の作のために譜面はますます怪しいようです。以下濱田芳通さんの一文。

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〜「ポッペアの戴冠」によせて〜

「ポッペアの戴冠」は巨匠モンテヴェルディの最晩年の作品、恐らくは絶筆であろうと思われるが、残念ながら作品の全てがモンテヴェルディの手によるものではない。彼の自筆譜は失われ、残された手稿譜(ヴェネツィア稿とナポリ稿)には、弟子のフランチェスコ・カヴァッリ、フランチェスコ・サクラーティ、ベネデット・フェッラーリその他の人々による、当時のとある上演機会の状況に即した加筆が施されている。これらは悪く言えば少々やっつけ仕事の感も否めず、400年後の我々がそれらの編曲に基づいて盛んに演奏していることを天国にいる彼らが知ったら、それならもっとちゃんとアレンジしたのに…」と思うであろう。のように、その時々の状況に応じてアレンジを施しながら演奏することは当時としては普通のことであった。(濱田芳通)

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 つまり、益々演奏者の即興性やアレンジ能力の差が大きく、ハイリスクハイリターンな作品というわけです。ドキドキしますね。

大体がクラシックでさえ、作曲家晩年の未完成の自筆部分がはっきりしない作品は魅力的です。モーツァルトのレクイエム、バッハのフーガの技法、ベルクのルル、プッチーニのトゥーランドット等々。シンフォニーでもマーラーの10番、ブルックナーの9番とかこの類でしょう。

これは偶然とは思えません。確定しないところで、演奏者も聴衆も生きた交流ができるのでしょう。

ですから初期バロックの、更に晩年未完成となったら、鬼に金棒です。演奏者が良ければ最も面白い、超ハイリスク、ハイリターン公演です。

ローリスク、ローリターンにどこか飽き飽きしているあなた、9月2日リリア川口にどうぞ。

(追記:本公演のレポートはnoteに書きました。)

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2017/9/2(土)16:00開演(15:15開場)<オペラ・フレスカ5>
C.モンテヴェルディ作曲 歌劇「ポッペアの戴冠」(新演出/原語上演字幕付き)
会場:川口総合文化センターリリア音楽ホール

指揮/音楽監督:濱田芳通
演出:彌勒忠史

管弦楽:アントネッロ
ヴィオリーノ:杉田せつ子/天野寿彦
ヴィオラ・ダ・ガンバ:石川かおり
ヴィオローネ:西澤央子
ティオルバ/キターラ:高本一郎ファゴット/フラウト:古橋潤一
コルネット:細川大介
トロンボーネ:宮下宣子/大内邦靖
タンブレロ:濱元智行
オルガノ:矢野薫
チェンバロ/アルパ・ドッピア:西山まりえ

ネローネ:彌勒忠史
ポッペア/フォルトゥーナ:阿部雅子
オッターヴィア/ヴィルトゥ:阿部早希子
アルナルタ:上杉清仁
オットーネ:中嶋俊晴
ドゥルジッラ:末吉朋子
アモーレ:加藤千春
ヴァレット:赤地カレン
セネカ:和田ひでき
ルカーノ/兵士:中嶋克彦
リットーレ/兵士:黒田大介

チケット:全席指定
S席11,000円/S席ペア20,000円/A席9,000円(完売)/B席7,500円(完売)
※ペア券はアントネッロ・コンサートのみで販売いたします。 
※当日はペア券の販売は行いません。
◎学生券(学生割引)は予定枚数に達しましたため、販売を終了いたしました。

お申込み:
●リリア・チケットセンター TEL048-254- 9900(営業時間:10:00~19:00(休館日を除く))
●東京文化会館チケットサービス TEL03-5685- 0650(10:00~19:00休館日を除く) (セブンイレブンでお受け取りいただけます)
●アントネッロ・コンサート anthonello.concert@gmail.com