日生劇場のドボルザーク作曲オペラ「ルサルカ」の昨日の公演を拝見しました。

この作品は、オペラのなかでもかなり好きな方。ドボルザークは「新世界」も元はオペラ用に作ったものの題材から作り直したようですし、いいオペラ作家ですね。プロの弦楽器奏者でもあったので、オーケストレーションは抜群ですし、今聞いても古臭い感じがあまりしないのです。

今回の宮城聰(みやぎ・さとし)の演出では、まるでホールオペラ(®サントリー株)のように、ピットをあげて指揮者と弦&金管、打楽器がもろ見えるし、その上、木管楽器はステージ下手、ホルン4本はステージ上手に並びます。

コンサート専用ホールで劇場のように見せるのが普通ですが、専用オペラ劇場でコンサートホールのように見せるのは珍しい。

オケマンにとっては「どちらでも全力を」が建前でしょうが、やはりステージ上で、常に歌手の隣で凝視されていれば緊張もするし、テンションは上がるでしょう。観客からしても全て見えれば、そのオーケストレーションもよりダイレクトに味わえます。

そのオーケストラは山田和樹指揮読売日響。ポジションも得た上り坂のスターは全身明るく見えますし、やはり主人公の雰囲気でした。

舞台の方もホールオペラのようなシンプルさもありますが、かなり凝ってもいて面白いです。曲の構造もよく分かる気さえします。

歌手では魔法使いの清水華澄の存在感が際立っていましたが、主人公ルサルカの田崎尚美も水の精らしくクリスタル系の声で、オケの隣でうもれない美声を発していました。

明日、明後日とあります。作品にふさわしく、演出、演奏とも新しい感覚に溢れていて楽しんでいただけるでしょう。

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