以前も触れたことがありますが、ウィーンのムジークフェラインといえば、なんと言ってもオルゲルバルコニーと呼ばれるオルガンの横の席。ここがなんと舞台が1%たりとも見えないのです。100%の死角。

日本で時々、見切り席とか問題になりますが、そんなものせいぜい舞台が半分近く見えないとかの可愛いもの。さすが本場ムジークフェラインはスケールが違います。

見えない理由とか考える方もいらっしゃるでしょうが、多分「単なるうっかり」というか「設計時に考えて無かった」だけではないでしょうかね。

しかも結構なお値段で、その席のチケットが売られています。この写真でお三方が座っているのがそこですが、その方々もお払いになったのでしょう。
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チケットには確かに小さな文字で「ここはステージは見ることができない」旨が書いてありますが、そんなの読む人いますか。いるでしょうが、普通はまあ読みません。

古い歌劇場で柱の真後ろで、ほぼステージが見えないとかはありますが、それでも体を左右に寄せれば、ほんの少しは見えます。

ここは何をどうしたって見えないので、見えるところまで立っていってしばらく立って見てる、ということはおやりになる方もいらっしゃいます。あちらはそういうことはわりと普通なので、そんなに目立ちません。

ともかくムジークフェラインにいらっしゃる方は、ここだけ(オルガンの両側とも)はお気をつけください。ミラノのスカラ座などはもっと盛大に階上の後方席はアウトです。

東京の某著名ホールで、録音用のケーブル(しかも細い)が1本目障り、というクレームをおつけになった方がいて、ホールスタッフと録音エンジニアが真剣に対処しているのを拝見すると彼我の違いに目がクラクラします。