今月CSのクラシカ・ジャパンでプロコフィエフのピアノ・ソナタ全曲放送が行われています。

ゲルギエフがミュンヘン・フィルのシェフになって本拠地のガスタイクで始まったMPHIL 360°」というフェスティヴァルの一環。これは文字通りジャンルや時代も超えた多彩なプログラムによるもので、このピアノソナタチクルスはチャイコフスキーコンクール入賞者数人が出演して2016年に行われました。

オーケストラ用ホールとしても大きめの、ガラーンとしたガスタイクでピアノソロ?という感じは拭えませんが、照明とか工夫してなんとか。

と、冷ややかにざっと流して見ていましたが、8番と9番を弾いたセルゲイ・レーディキンというピアニストには驚きました。私は名前を存じ上げなかったのですが、余計なものが全く無くて曲の核心へまっしぐらの圧倒的な演奏。私はこれらの曲の演奏で、これ以上求めるものは何もありません。
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2015年のチャイコフスキーコンクール3位だそうで、この回の4位はデュカ・ドゥバルグ。3位と4位が天才だったわけで、打率としてはいいほうでしょう。

早速セルゲイ・レーディキンをどこかで生で聞けないか調べましたら、今年の9月来日予定があるようです。

J.S.バッハ/ブゾーニ編 トッカータとフーガ ニ短調
ベートーヴェンピアノソナタ第8番「悲愴」 ハ短調 op.13
ベートーヴェンピアノソナタ第14番「月光」 嬰ハ短調 op.27-2
ショパン舟歌 嬰ヘ長調 op.60
ショパン幻想即興曲 嬰ハ短調 op.66
ショパンノクターン第2番 変ホ長調 op.9-2
ストラヴィンスキー「ペトルーシュカ」からの3楽章
まあ、巨匠になる前だと日本でよく強要されるプログラムの典型。そりゃ何でも勉強にはなるでしょうけど。

とりあえず、なんとかクラシカの放送を御覧ください。大変な本物ピアニストとプロコフィエフの8番9番がいかにいい曲かをご堪能いただけます。