7月は東京で二期会の「魔弾の射手」がありますが、関西でも兵庫県立芸術文化 センターで「魔弾の射手」です。例の年1回の佐渡裕プロデュースによるオペラシリーズ。なんと言っても毎回5回以上のロングラン公演が売りで今年も7月下旬に8回行われます。椿姫やフィガロならともかく、ブリテン「夏の夜の夢」でもこのくらいの回数なのですから、「魔弾の射手」なら、まあ当たり前の回数に見えますが、大したこと、に変わりありません。
佐渡はパリ管弦楽団とのエクサンプロヴァンス音楽祭「椿姫」がDVDになっているくらいで、ヨーロッパでもオペラはちょくちょくやっています。
その彼が国内本拠地で腰を落ち着けて陣頭指揮していること以外にも、小栗哲家がプロデューサーとして細やかな作り込みをしているのも特徴と言えるでしょう。
オーケストラも勉強中のユースオケだけに、逆にウィーンやらトリノやらの歌劇場オケ首席級の錚々たる奏者が指導者兼プレーヤーで入っていて、ソロ部分など時折はっとするような名人芸が聞こえてきたりします。
このように結構、本格的作りで回数を重ねるので、純音楽的には後半のほうが、よりおすすめかも知れません。今や当たり前になった「曜日にかかわらず、すべて午後2時開演」で、全国的に広まったこの習慣も、ここでの成功実績が大きいでしょう。東京から行っても微妙に日帰りできてしまうところが憎いところです。
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