昨年急逝した作曲家松下功だが、福島県白河市コミネスのための新作楽劇「影向(ようごう)のボレロ」を作曲途上だった。

時々ご紹介しているコミネスの先頭指揮官型館長志賀野桂一(しがの・けいいち)が台本、構成、演出、プロデュースを担っているもので、松下&志賀野組はアジア音楽祭など、長年のコンビでもあった。

2019年3月24日が上演日で、急逝した時点での残り時間を考えれば、新たに作り直すのは不可能で、そのまま強行するには作られたものは半分以下でそれまた難しかった。

そこで、それまでに準備されたものはなるべく活かし、残りを補作し、かつシームレスなひと繫がりの完成品にする、という難しい話になり、その役目は川島素晴が引き受けた。

師匠の仕事を引き継ぐのは望むところでもあろうが、師匠といえども他人の作ったものと自作の補作部分を自然につなぎ合わせ、最終的全体責任を取るのは面倒な仕事に違いない。

そして川島素晴新音楽監督による準備は進み、予定通り、来る3月24日に初演が行われる。写真は鈴木白河市長と志賀野、川島による記者会見時のものだ。
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おりしも松下功の師匠がつくり日本初演が難産だった黛敏郎作曲「金閣寺」の二期会上演ももうすぐ。

黛、松下、川島というラインの劇音楽作品がここしばらくでまとめて鑑賞できることになる。さらに新国立劇場では松下と同世代の西村朗による新作オペラ「紫苑物語」の初演もある。

あらゆる意味で困難な現代オペラの制作、上演だが、やはりそれでもこうして何やかやと続けられる。よほど魅力なり魔力がそこにはある、ということか。