大阪府堺市にできた新しいホール=フェニーチェ堺がオープニングシリーズを展開中。ホセ・カレーラス、コンセルトヘボウ管、ゲルギエフ&マリインスキーなどなど華やかなビッグネームが並んでいますが、年末は武満徹の3日にわたるミニフェス。これが随分と凝った内容。
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初日は杉山洋一が選んだ作品、演奏家による初期作品集。ヴァレリアやスタンザといった、マニアには名前は知られていても、実際耳にする機会は稀な作品がずらりと並んでいます。演奏家も関西系のリュートの高本一郎、打楽器の稲野珠緒といった人たちやチェロの海野幹雄(義雄さんのご子息)、ヴォーカルはBCJで名前を見そうな松井亜希他といった新鮮なメンバー。

二日目は小味渕彦之プロデュース、西岡茂樹の選抜指揮で歌の作品。さりげなく超難曲の「風の馬」が入っていて、関西でこの作品に接することのできる貴重な機会というだけでなく、全国からの関係者多数の前での西岡茂樹としても勝負演奏、ということになります。

最終日は愛娘の真樹のプロデュース司会で、荘村清志は順当として、アコーディオンのcobaも。cobaは別に真樹のお仲間というだけではなくて、武満徹が買っていて晩年親交もあったという浅からぬ関係。

著名人気演奏家のメジャー企画だけでなく、こういったものも入れているいるところに堺フェニーチェが文化創造センターになりそうな気迫が見えますね。

ご賛同の方々、どうぞ応援してあげてください。