4月12日から16日まで、新宿の全労済ホール/スペース・ゼロでこんにゃく座の新作公演が行われている。今回は約1時間の短編『タング―まほうをかけられた舌―』。安房直子が書いた原作を、朝比奈尚行が脚色し、作曲萩京子、演出大石哲史でオペラ化されたもの。
本編だけでは短いので、最初に10曲弱のソングによるミニコンサート。林光、萩京子という座付き作曲家だけではなく、シューベルト、シューマンなども入っている。
これをABダブルキャストで、連日公演。
昨日のA組を拝見したが、ピアノその他担当の湯田亜希(ゆだ・あき)がとてもいい。
高めの手首からクリスタル系の音が出てきて、強い音楽なのだが、押し付けがましさが全く無い。

こんにゃく座は伝統的に、林光、萩京子、寺嶋陸也と大変な音楽性の作曲家ピアニストが揃っていて、どうしてもそちらに目が行く。
湯田は当然ながらその系統とは全く違うアプローチで、私心のない音楽がまっすぐこちらに届いてくる。
ここはこんにゃく座だから、ピアニストと言えどもピアノだけを弾いていればいいのではない。アコーディオン、打楽器、手拍子、歌、それも「歩きながら」とかやらされる。

そういうことが好きでも得意でも、嫌いでも苦手でも、ともかくやらねばならずご負担は随分なものだろうが、湯田は明るい表情で、それらでもポジティブな音楽を届けてくれる。

それらのプレイを追っていくだけで、オペラ全体も味わえるくらい。

音楽ファンの中には、芝居系、日本語ソング系などなどに臭みを感じて、もっと抽象的な器楽音楽を好む人も多くいらっしゃるだろう。
そういう方々も是非おでかけいただきたい。
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